ブリュッセルにある「グラン・プラス」
文豪ヴィクトル・ユゴーが「世界でもっとも豪華な広場」とたたえた。
世界遺産にも登録され、世界一美しい広場とされる。
12月のグランプラスは、クリスマスマーケットでにぎわう。
市庁舎のプロジェクション・マッピングを観るのが楽しみだ。
グランプラス
グランプラス(Grand Place)は、ベルギーの首都ブリュッセルにある壮麗な広場で、ベルギーを代表する観光名所のひとつ。フランス語で「大広場」を意味するグランプラスは、オランダ語では「フロート・マルクト」と呼ばれ、1998年に世界遺産に登録された。
ブリュッセル中央駅から歩いて5分。早朝のグランプラスは、人通りが少ない。クリスマスマーケットの準備中だった。最大の見どころは、15世紀に建設されたゴシック様式のブリュッセル市庁舎。細やかな彫刻で装飾されたファサードと、高さ96メートルの塔が特徴で、頂上からブリュッセルの守護聖人ミカエル像が見守っている。
グランプラスを囲む建物の多くは、ギルドと呼ばれる職業組合が所有する。パン職人や船乗り、鍛冶屋などの各ギルドハウスに美しいシンボルが施され、その豪華な彫刻や金色の装飾がまばゆい。
• フラワーカーペット:2年に一度、8月には広場全体にカラフルなベゴニアの花が敷き詰められ、美しいフラワーカーペットが作られる。このイベントは数日間開催され、多くの観光客が訪れる人気イベントになっている。
• クリスマスマーケット:冬にはクリスマスマーケットが開催され、クリスマスイルミネーションとともに広場が華やかな雰囲気に包まれる。木製の小屋が並び、地元の手工芸品やベルギーチョコレート、ホットワインなどが販売されて、温かみのある雰囲気が広がる。
夜になると、たくさんの人が広場に集まってくる。お目当ては、プロジェクション・マッピング。季節によりテーマが変更され、ファサードをキャンバスにして音と光のショーが繰り広げられる。ギルドハウスの歴史的建造物が、華やかに彩られて観光客を楽しませてくれる。1時間ごとに開催される、5分間だけのショーなので、人々はグルメを食したりお土産を選びながら何度も広場に足を運ぶ。
小便小僧と小便少女
小便小僧。別名ジュリアン君。
グランプラスから5分ほど歩くと、小さな小便小僧が立っている。世界三大がっかりスポットのひとつになっているが観光客は大喜びだ。小便小僧を取り囲んで、うれしそうに写真撮影している。
1619年に建てられた小便小僧には、様々な伝説が残っている。
1. 火薬庫の爆発を防いだ伝説
ある伝説では、小便小僧は、ブリュッセルを守る英雄的な少年として描かれている。街に攻め入ろうとした敵軍がブリュッセルの火薬庫に火をつけた時、街の少年が火に向かって放尿して消化し、街を救ったというもの。
2. 王子が迷子になった伝説
ブリュッセルの王子が街で迷子になり、探していた王様が彼を発見した場所で、その王子が小便をしていた。王様が王子を祝福するために、その場所に像を建てたというもの。
3. 市民のいたずら伝説
ブリュッセルの市民が、街を支配していた貴族たちに対する風刺として、小便小僧を作ったというもの。市民たちが権力に対して、ユーモアを込めて小便をしている姿を像で表現したというもの。
4. お祭りの伝説
ブリュッセルの祭りで、酔っ払った少年が道端で小便をしている姿が印象的で、その姿を記念して像を作ったというもの。
また、ジュリアン君は、テーマを変えてさまざまな衣装を着せてもらえる。世界中から1,000着以上の衣装が寄贈されているそうだ。
しかし、この日のジュリアン君は、素っ裸だった。寒そうだ…
近くには、小便少女も座っている。
小便小僧の伝説に関連して、小便少女も造ろうというアイデアだったらしい。ブリュッセルの男女平等やユーモアの精神を象徴しているそうだ。それにしても放尿中の少女とは、ベルギー人は過激だ。
ブリュッセルの街並みと食べ歩き
芸術の丘
芸術の丘まで歩いてみる。芸術の丘は、ブリュッセルの中心部に位置する美術館や文化施設が集まったエリアで、芸術と文化の中心地とされている。ブリュッセル中央駅からほど近く、階段を上ると高台に出る。高台から見える眺望に、市庁舎の尖塔がひときわ際立つ。
ベルギーワッフル
さて、美食の国ベルギーも堪能したい。まずは、2種類のワッフルを食べ比べてみよう。リエージュ・ワッフルは、日本でもお馴染みの甘いワッフルで、絶対にハズレはない。
ブリュッセル・ワッフルは、ふわりと軽い食感で、日本人には馴染みが薄い。パンケーキのような感じ。しかし、たくさんの種類からトッピングを選ぶことができるので、見た目も楽しい。
フリット
フリットも、ベルギーが発祥の地。日本人も大好きなフライドポテトのことだ。ベルギーの代表的な料理のひとつで、ナミュール地方が発祥の地として認識されている。
フリット専門店が数多く、フリットショップやフリットスタンドで提供されている。マヨネーズやサワークリームソースなどに付けて食べると美味しい。
ムール貝
そして、観光客が必ず食べるという、ムール貝の白ワイン蒸し。ムール貝が大きな鍋で調理され、鍋ごとテーブルに運ばれてくる。白ワインや、ニンニク、エシャロット、ハーブで蒸し煮にして、フリットと一緒に食べる「ムール・フリット」が一般的。たくさんのムール貝が、お皿からあふれ出るほど山盛りになっていて満足度は高い。しかし、私は、アサリの方が好きかな…
ギャルリー・サンチュベール
ギャルリー・サンチュベールは、1847年に完成したヨーロッパ最古のアーケード街。鉄とガラスを使った構造が特徴で、19世紀アール・ヌーヴォー様式に共通する建築物である。アーケードには、高級ブティックや高級チョコレート店が並んでいる。私は、GODIVAしか知らなかったが、多くのブランドチョコレートがあることに驚いた。
王室御用達という、レオニダスのチョコレートを買ってみた。店員がオマケも付けてくれた。とても上品でおいしく感じるのは、旅行中で気分が高揚しているからなのだろうか。
ライトアップされた小便小僧
夜になると、小便小僧もイルミネーションで華やかになった。
ウィンドウショッピングも楽しい。そして、ベルギー人が食べるドーナツは卑猥だ…
アリス・グランド・プレイスホテル
今回の宿は、アリス・グランド・プレイスホテル。グランプラスから歩いて1分。広場に何度も足を運んだ。周囲に飲食店やギフトショップが多くて、夜通し楽しめる。
ホテルのカフェラウンジも、クリスマスの装飾で彩られ、クリスマスの雰囲気を楽しむ人々でにぎわっていた。カジュアルで居心地のよいホテルだった。
明日は、アントワープのクリスマスマーケットに訪れる予定だ。
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