世界遺産の第一号が、アブシンベル神殿(エジプト)だと思っている人は多い。
エジプトに旅行した際、現地ツアーガイドもそう説明していた。
確かに、世界遺産の概念が生まれるきっかけになった遺産に間違いない。
しかし、アブシンベル神殿が世界遺産に登録されたのは1979年。
最初の世界遺産は、1978年に登録された12の遺産である。
そのうちのひとつが、ドイツにあるアーヘン大聖堂。
北部ヨーロッパ最古の大聖堂へ、鉄道に乗って訪れた。
アーヘン大聖堂
DB(ドイツ鉄道)でアーヘンの街に到着。
大聖堂をかたどったアーヘン中央駅。
旧市街にある大聖堂まで、歩いて15分。
12月に訪れた旧市街は、クリスマスマーケットの装いでにぎわう。
正面に見えるのはゴシック建築の市庁舎。
ローマ帝国時代は、王宮として使用された。
お城のような建物で働ける公務員がうらやましい。
アーヘン大聖堂が見えてきた。
786年に建築された大聖堂は、別名「皇帝の大聖堂」
ローマ帝国の教会建築に影響を受けた、北部ヨーロッパ最古の大聖堂である。
フランク王国のカール大帝により創建された。
アーヘン大聖堂の模型を見ると、左右非対称の建築物であることがわかる。
大聖堂の中心は、さまざまな建築様式が融合した八角形のドーム型。
「八」は、中世キリスト教で復活を意味する。
天井まで高さ32mの空間は、ビザンティン様式のモザイクで装飾されている。
見どころは「ガラスの家」と呼ばれる礼拝堂。
ステンドグラスの高さは25m。
天井画や黄金の装飾に目を奪われた。
最初に登録された12の世界遺産
最初に登録された12の遺産は以下の通り。
ガラパゴス諸島(エクアドル)
「ゾウガメ」という意味を持つ島で、固有種の多い生態系の宝庫。
※12の遺産の中で最初に審議されたのが、ガラパゴス諸島。
イエローストーン国立公園(アメリカ)
熱水を吹き上げる間欠泉や巨大温泉生態系をもつ国立公園。
ランス・オ・メドー国定史跡(カナダ)
コロンブスの新大陸発見説を覆した、カナダの考古遺跡。
ナニハ国立公園(カナダ)
マッキンジー山を含む壮大な峡谷を形成する国立公園。
メサ・ヴェルデ国立公園(アメリカ)
「緑の大地」の意味で、先住民の断崖に残る集落遺跡。
シミエン国立公園(エチオピア)
アフリカの天井と呼ばれ、エチオピア最高峰を含む大自然。
ラリベラの岩窟教会群(エチオピア)
聖地巡礼地のひとつで、エチオピアの石窟教会群。
ヴィエリチカとボフニア王立岩塩坑群(ポーランド)
700年以上の歴史をもつ岩塩の採掘坑。
クラクフ歴史地区(ポーランド)
ワルシャワ遷都まで首都として栄えた古都。
キトの市街(エクアドル)
アメリカ大陸の修道院といわれる、キリスト教布教の拠点。
ゴレ島(セネガル)
黒い黄金と呼ばれ、奴隷貿易の過去をもつ負の遺産。
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