加賀百万石 みやびの宿は、旧前田藩の加賀市にある、敷地2万坪を超える老舗旅館です。
今回、別邸「奏」スイート和室に、泊まれることになりました。
部屋のコンセプトは、贅を尽くした空間。
約100㎡の座敷は、男4人のゴルフ旅行には贅沢過ぎます。少しでも北陸復興支援に繋がることを、信じたいと思います。
ただ、コロナ禍の雇用調整金を不正受給したニュースも記憶に新しいところ。経営層が一新し、生まれ変わった温泉が楽しみです。
この記事では、別邸「奏」と特選会席料理を紹介したあと、本館に比べて泊まる価値があるのか感想を添えています。
加賀百万石 別邸「奏」
加賀百万石の本館から、離れの別邸に車で移動します。
瓦屋根のついた別邸「奏」の看板が見えてきました。
きらびやかなフロントでチェックイン。
部屋の入退室は、カードキー。本館と別邸の館内図をもらえました。なお、本館の宿泊者は、別邸の立ち入りを規制されています。
日本庭園を囲むエントランス。
梅昆布茶。チェックインしている合い間に、ウェルカムドリンクが提供されました。
24時間ドリンク無料提供は、うれしいポイント。
ホテル敷地のいたるところに、生簀が点在しています。もちろん、鯉も泳いでいました。
とにかく金色の調度品が目に付きます。壁や天井は、できる限りの金箔模様。
エレベーター内装も金色。
面格子の奥にある客室扉も金色でした。
そして、広すぎる土間へ入室。
土間をあがると…
まず3畳と5畳の和室に、冷蔵庫とシンクが備え付けてありました。
冷蔵庫の中は、すべて無料。
ホットドリンクも充分に用意されています。
そして、中央の座敷は10畳。空気清浄機・加湿器が置いてありました。
さらに奥の窓際に、サンルームのような広縁。大人4人が悠々と座れます。
床の間に、掛け軸と生け花。花は本物でした。
化粧室にも充実したアメニティ。ブローブラシの品揃えに驚きました。
もちろんウォッシュレット。
足を延ばせる浴槽も付いています。
それでは、お茶菓子で一服してから、大浴場に行ってみましょう。
アメニティセットは、手拭い、コーム、歯ブラシ。それに珍しいたび。
1階の大浴場、奏の湯へやってきました。
暖簾をくぐると、落ち着いた空間が広がり、長い長い石畳を歩くと…
ようやく大浴場にたどり着けます。
脱衣場に、バスタオルだけでなく、手拭いも備え付けてありました。
パウダールームのアメニティは豊富で、品質にも拘りがあるようです。手ぶらで入浴しても差し支えありません。ちなみに、本館には備え付けられていませんでした。
※画像提供:加賀百万石
露天風呂は、源泉100%の温泉。広々した石庭とマイナスイオンに癒されます。
・源泉:加賀百万石泉
・泉質:ナトリウム・カルシウム硫黄塩温泉(弱アルカリ性)
・効能:関節痛、腰痛、神経痛、五十肩、打撲
さて、お楽しみの夕食。
料理人がもてなす特選会席料理「奏」コースを選んでいます。
食事は、菖蒲の間。別邸の宿泊者は、朝夕とも個室になります。
食前酒の梅酒からスタート。前菜に三大珍味このわた、ホタルイカ、甘エビなど石川県産の海鮮が盛り付けられています。
珍しい、能登特産の干くちこ。なまこの卵巣を干したもので、あぶって食べると香ばしい風味が広がります。
御造り盛り。真鯛、ブリ、生ウニ、甘エビ、バイ貝。そして中トロが、口の中で熔けて消えました。
中トロとぶりの握り。
アワビの踊り焼は、肉質でジューシー。
高級食材 のどぐろの煮つけは、白身がぷりぷり。箸が進みます。
黒毛和牛ロースには、なにやら金箔が…
すき焼きにして、卵を溶いて食べると美味しくないわけがありません。
さらに、黒毛和牛の冷しゃぶサラダも運ばれてきました。ポン酢のジュレで食べるのですが、もうお腹がいっぱいに…
ようやく、ご飯もの。山菜の炊き込みご飯は、あっさりと優しい味つけ。
若竹の椀ものに、香の物。
最後にデザート。果肉の厚いメロンが、口の中をさっぱり潤します。
プリンに添えられたホワイトチョコは、山代温泉のご当地キャラ「やましろすぱクロくん」。温泉(spa)+カラス(crow)で「すぱクロ」なんだって。ご馳走様でした。
夕食から部屋に戻ると、寝具が敷かれていました。軽い羽根布団と、敷布団の下にマットレス。布団がベッドのような寝心地に変化しました。山代山中に囲まれた静けさのなか、夜が更けていきます。
さて、翌朝も豪勢な朝食。あさりの味噌汁から炙り物まで、地元食材に舌鼓を打ちます。
一番美味しかったのは、ボリューム感たっぷりの出し巻きたまごでした。
加賀百万石 本館
続いて、本館についても紹介しておきます。本館には、現在も被災者が150人宿泊されているとのこと。ピーク時には、400人が避難されていたそうです。本館と別邸は、廊下でつながっていますが、別邸への立ち入りは禁止です。
長い渡り廊下に、加賀藩を納めた前田家の模型。祭りの賑わいが表現されています。
本館の食事会場を、横目に通り過ぎます。ビュッフェ形式になっていました。
こちらが本館のエントランス。加賀友禅と手づくりの加賀傘が出迎えてくれます。
奥へ進むと、500㎡もある巨大なロビーラウンジ。
そして、吹き抜けになった高い天井に圧倒されます。
本館にも、うれしい24時間無料のドリンクサービスがありました。
日本庭園を眼下に眺めながらコーヒータイム。
リラクゼーションシートも、無料で開放されていました。
グランドフロアから、中庭へ出てみます。
広大な敷地に広がる日本庭園を散策。本館全179室の全貌が見渡せます。
庭園内に、会員制のフィットネスが併設。天然温泉プールやジムが営業しており、宿泊者も予約すれば利用可能。
こちらは、本館の売店。九谷焼や地酒、地元の海産物が豊富に揃っており、お土産選びに迷います。
隣接する東屋兼茶室。なんと枯山水まで造るこだわりよう!
本館にある北大浴場と南大浴場にも、入浴してみました。ふらっと手ぶらで訪れたのですが、手拭いは用意されておらず、湯上りのバスタオルだけ拝借しました。アメニティも、スキンミルクなど最低限のものだけでした。それで充分ですけどね。
演芸劇場。本日の催しは、終了したようです。遊戯コーナーには、営業中に訪れるべきでした。カラオケ、卓球、ビリヤードが楽しめます。
本館と別邸どちらに泊まる?
それでは、本館と別邸のどちらに泊まるのか悩むところ。
土日、大人2名で宿泊する場合。料金差額は、おおむね2倍です。
・本館 ひとり25,000円〜
・別邸 ひとり50,000円〜
別邸でしか体験できないことを挙げてみます。
まずは、露天風呂付の部屋を選べること。
ただし、露店風呂付の部屋には限りがあり、全45室のうち1階の20室にしか設けられていません。人気が高いため、早目の予約が必要となります。
次に、差別化されていると感じたのは大浴場。露天風呂やサウナに違いはありませんが、アメニティ類の品揃えが豊富で、タオル類も充分に準備されていたことです。部屋から手拭いを持参せずとも、手ぶらで入浴して差し支えありません。
また、部屋が広いこと、朝夕の食事が個室であること、冷蔵庫のフリードリンクが充実し、アルコールが無料なのも利点です。本館と別邸は廊下で繋がっているのですが、宿泊者以外は立入禁止のため特別感を味わうことができます。
要約すると、別邸に宿泊するメリットは以下の通り。
・露天風呂付の部屋を選べる
・大浴場のアメニティ類が豊富
・部屋の広さが100㎡
・朝夕の食事が個室
・料理の献立に高級感
・冷蔵庫フリードリンク
・宿泊者だけの特別感
では、本館が見劣っているかというと、必ずしもそうではありません。
ここからが本題です。
本館は、吹き抜けの広いロビーに圧倒され、広大な日本庭園に癒されます。遊技場やフィットネスの利用に便利で、品揃え豊富な売店でお土産を選ぶのも楽しい。もちろんホスピタリティが劣ることもなく、チェックアウト時間の11時まで、リーズナブルに贅沢な空間を楽しめます。
私の感想は、次のようになります。
露天風呂付の部屋を選べなければ、本館に宿泊するのが正解。
特別な空間で、贅沢に過ごす目的であれば、露天風呂付の部屋を選択するべきでしょう。しかし、露天風呂付の部屋には限りがあり、予約を取りにくいのが難点。それならば、リーズナブルに贅沢を楽しめる本館がおすすめです。
なお、被災者の方々に配慮が必要だと思うのですが、宿泊客との違いを見分けることはできませんでした。国政の復興支援割引などを利用すれば、わずかでも支援に繋がると信じています。
加賀百万石のアクセス
加賀市には、3つの温泉(山代温泉・山中温泉・方山津温泉)があり、北陸新幹線「加賀温泉駅」の開通で、よりアクセスが便利になりました。加賀温泉駅に到着すると、無料送迎してくれますので助かります。
加賀百万石 みやびの宿
石川県加賀市山代温泉11-2-1
TEL 0761-77-0200
・JR北陸本線加賀温泉駅より車10分(無料送迎有)
・北陸自動車道加賀IC・片山津ICより車20分
・小松空港より車30分
別邸「奏」の滞在は、贅沢な料理でお腹がいっぱいになり大満足。
チェックアウトの際に、気持ちだけ募金しておきました。
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