
世界遺産ベトナム中部の古都ホイアン。
この町がもっとも幻想的な表情を見せるのが、満月の夜に開催される「ランタン祭り(ホイアン・フルムーン・フェスティバル)」です。
ホイアン2泊3日、ランタン祭りの当日と前日に宿泊してみると、意外にも“前夜祭”のほうが印象に残るものでした。

祭り前日の夕暮れ時、旧市街のあちこちに色とりどりのランタンが灯され、街はほんのりとした光に包まれていきます。川沿いや橋の上では、すでに写真を撮る観光客の姿が多く、露店の屋台からは音楽が流れ、音と光のショーが繰り広げられます。街全体が温かくてにぎやかな雰囲気に満ちていました。

お祭り前夜のワクワク感が漂いながらも、人混みは適度でゆったりと風景を楽しめます。灯りはほどよく、街の建物や川面の反射も美しく、まるで絵本の中を歩いているようなひとときでした。
そして迎えたランタン祭りの当日。

観光客の数はさらに増え、午後には主要な通りが混雑しはじめます。やがて日が沈むと、街の電灯が消されてランタンの灯りが頼りの夜が始まります。
幻想的ではありますが、街全体が薄暗く感じられ、昨夜のような賑やかさ、あたたかい光の広がりは影を潜めたように思います。そして交通渋滞と人の混雑に、どこか落ち着かない面持ちになります。それでも、トゥボン川に浮かぶ無数の灯篭やボートの光景は、とても美しいものでした。
正直なところ、私は“前夜祭”のほうが好みです。
ライトアップされた街並みと、音楽と人々の穏やかな笑顔。お祭りそのものを楽しむには、当日よりも前日のほうが、ホイアンの魅力をバランスよく感じ取れると思いました。

ホイアンのランタン祭りは、ツアーで参加される方も多いのではないでしょうか。ランタン祭りの当日は、ツアー代金も高めに設定されています。実際のところ、ホイアンには祭り当日でなくとも味わえる、美しさや華やかさがあります。もし日程に余裕があるようでしたら、当日と前日に訪れてみると興味深いと思いますよ。
ランタン祭りの雰囲気を動画に残しましたので、ご興味があれば参考にしてみてください。
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