大沢温泉自炊部湯治屋|長期滞在できる湯治・湯治場・湯治宿って何?

大沢温泉

岩手県にある大沢温泉で、プチ湯治とうじを楽しんできました。

大沢温泉自炊部湯治屋は、200年の歴史が残る湯治宿。

湯治宿とは、疾病治療や療養を行う宿のことです。

この記事では、大沢温泉の宿泊体験を紹介します。

驚くほどリーズナブルに宿泊できましたので、リピート確実です。

湯治について

湯治とうじは、温泉地に長期滞在し、疾病治療や療養を行うこと。

日本において、湯治という行為は、数百年の歴史があります。

湯治場とうじばは、湯治を目的に長期滞留する温泉地のこと。

現存する湯治場は、古来より続く温泉地ばかりなので、泉質の良さにも期待できます。酸ヶ湯温泉(青森県)、鉄輪温泉(大分県)など数多く現存します。

湯治宿とうじやどは、湯治を目的に滞在する人向けの宿のこと。

温泉旅館と違い、娯楽施設が無く山間僻地の質素な療養施設が多い。長期滞在を基本とするため、自炊場があり寝具の持ち込みも可能。各々の病状による食事制限を、自ら自炊することで解決できるほか、普段と同じ食事をすることで心身を落ち着かせる効果もあります。

大沢温泉の入浴方法は、一日あたり2~3回までが適当。入浴時間は、3~10分程度とし、慣れるに従い延長も可能。食事前後、飲酒の入浴は避けた方がよいでしょう。

泉質アルカリ性単純温泉。単純泉とは、様々な成分が溶け込み突出した成分がないこと。
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、慢性消化器病、痔疾、冷え性、うちみ、疲労回復。
禁忌症:急性疾患、心臓病、呼吸不全、腎不全、高度の貧血、妊娠中。

大沢温泉自炊部湯治屋 

歴史ある湯治宿

大江戸温泉の看板

大沢温泉自炊部湯治屋。200年の歴史が残る由緒ある湯治宿です。大沢温泉の看板が、年季を感じますね。第3駐車場まであり、車のアクセスでも安心です。

昭和の雰囲気が漂う空間

玄関に入ると、昭和の時間が止まったようなレトロな空間に癒されます。

宮沢賢治ゆかりの宿

宮澤賢治の写真

宮沢賢治が愛した宿としても有名です。

宮沢賢治の少年時代の写真が残っていました。学生時代に悪ふざけをして、湯をみ上げる水車を止めてしまい、風呂場が大騒ぎになったという逸話いつわが残されてます。

待合室

待合室も、昔懐かしい演出でいっぱい。田舎のおばあちゃんの家に帰省したような感じです。

傾きのある階段

かなり傾きのある階段は、ギシギシ音が鳴ります。

2階の廊下

本館は3階建て、ワンフロアに8部屋あります。私達の部屋は、3階の長い廊下を抜けた一番奥の部屋でした。

宿泊施設

宿泊する和室

6畳和室の感想は、こんな感じです。

・部屋の広さは充分。
・障子に鍵は掛かりません。
・廊下の足音がよく聞こえます。
・土壁で隣人の声が聞こえます。
・エアコンは無し。
・扇風機のレンタルがあります。
・寝具や浴衣はオプション。
・コンセントは1箇所だけ。
・フリーWi-Fi です。

大きな部屋にコンンセントが1箇所のみ。すでにTVと冷蔵庫で2口ふさがっています。フリーWi-Fiは、助かりました。200年前には、考えられないサービスですね。

共有施設

共同炊事場

自炊部湯治屋は、その名の通り自炊できます。長期滞在者のために共同炊事場と簡易炊事場が設けてありました。共同炊事場は、学校の調理室の雰囲気。若者達が調理していましたので、団体で楽しい使い方もできそうです。

レンジとトースター

電子レンジは無料、ガスの使用は有料です。

1つしかないトイレ

ワンフロアに、洋式トイレが1個しかありません。8部屋の宿泊者が、男女で共同利用するには心もとない。風呂場にもトイレがありますので、私はそちらを利用しました。

また、洗面所はありませんので、炊事場で洗顔することになります。

品揃え豊富な売店

お土産から食材まで揃う売店があります。営業時間は、7:00~21:00。長期滞在者のために、予約すれば肉や魚も取り寄せてくれるそうです。ビールも良心的なお値段でした。

豊沢川の遊歩道

遊歩道への勝手口

ギャラリー菊水館への遊歩道に出てみます。

豊沢川にかかる橋

外は雨。豊沢川が増水していました。晴れている日は清流です。

写真左下に露天風呂がありますが、丸見えでお見せできません。

水車

古びた水車が見えます。宮沢賢治が悪戯で止めた水車でしょうか?

大沢の湯

大沢の湯へ続く廊下

年季の入った古びた廊下の突き当たりに「大沢の湯」があります。

豊沢川の自然に溶け込む混浴露天風呂です。もちろん男女入替制でした。

露天風呂入口

露天風呂の入口。脱衣場は野外にあります。

露天風呂から見える景色

こちらが露天風呂からの景色。さきほど渡った橋から完全に丸見えです(笑)

源泉かけ流し。シャワーも石鹸もありませんが、豊沢川の自然を満喫できます。温泉は、”あつめ”と”ぬるめ”に分かれていました。

自炊部湯治屋には、全部で5つのお風呂があります。

大沢温泉のお風呂
  • 大沢の湯…豊沢川に面する混浴露店風呂。
  • 薬師の湯…シャワー、石鹸が完備されている小振りな風呂。
  • かわべの湯…女性専用露天風呂。
  • 豊沢の湯…隣接する「山水館」の近代的な風呂。
  • 南部の湯…休館中。

お食事処やはぎ

お食事処やはぎ

自炊しない方には、お食事処やはぎ。営業時間は、7:30~21:30。居酒屋そのもので、メニューも豊富でした。

2種類から選べる蕎麦

私達夫婦は、「朝食+夜の蕎麦付プラン」で宿泊しました。蕎麦は、更科蕎麦田舎蕎麦から選べます。天婦羅とビールを追加で注文しました。

朝食

こちらは、朝食。ご飯のおかわり自由、充分なボリュームで大満足。

大沢温泉のアクセス

岩手県手県花巻市湯口字大沢181
・いわて花巻空港から車30分
・花巻南I.Cから車15分
・JR花巻駅からバス30分

鉄道でアクセスする方は、花巻駅と新花巻駅から、無料送迎バスがあります。

あとがき

大沢温泉自炊部湯治屋は、朝夕食事・寝具付きで、ひとり4,870円でした。

ビジネスホテル並みのお値段で、露天風呂の湯巡りが堪能できます。近代的な温泉旅館を求める方には、隣接する「山水館」がおすすめ。温泉だけ楽しみたい方には、日帰り入浴(大人700円)も可能です。私は、楽天トラベルで予約しました。なお、現地決済する場合は、現金のみですからご注意ください。

楽天トラベル

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